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西洋美術史講座(東京)第61回2021年 7月25日
「自然をあるがままに見つめる眼、コローとバルビゾン派の画家たち」
レアリスム美術、19世紀フランス絵画
講師:佐藤よりこ(F6)
19世紀半ばからパリを中心とした近代美術について学びました。
大文字の様式「レアリスム」はロマン主義(ウジェーヌ・ドラクロアに代表される)時代にその萌芽はあったが、現実に根ざした風景画の発達は1816年のフランス美術アカデミーによる歴史風景部門設立を契機とする。翌年ローマ賞をとったミシャロンに師事したコローはパリ近郊のフォンテーヌブローの森で制作し始め、森中にあるバルビゾン村には多くの画家が集まった。バルビゾン派の画家たちは造形理論を共有していたのではなく、自然への賛美と反アカデミズムの立場を共有していた。本格的なレアリスム運動はこうしてまず風景画のなかで育まれ始め、バルビゾン派は後の印象派に大きな影響を与え、とりわけミレーはポスト印象派のゴッホに直接的な多大な影響を与えている。
次回はギュスターブ・クールベについての講義となります。
アシル=エトナ・ミシャロン、カヴァの近くの風景、1820年頃、カンヴァス、油彩、34,9×48,3cm、スペイン、トレド美術館
カミーユ・コロー、モルトフォンテーヌの思い出、1864年、カンヴァス、油彩、65×89cm、パリ、ルーヴル美術館
カミーユ・コロー、マントの橋、1868〜70年、カンヴァス、油彩、38×55cm、パリ、ルーヴル美術館
カミーユ・コロー、真珠の女、1868〜70年、カンヴァス、油彩、70×55cm、パリ、ルーヴル美術館
テオドール・ルソー、フォンテーヌブローの森のはずれ、日没、1848〜49年、カンヴァス、油彩、142×197,5cm、パリ、ルーヴル美術館
コンスタン・トロワイヨン、ノルマンディーの牧場、1852年、カンヴァス、油彩、38,5×55 cm、シカゴ、インスティテュート美術館
シャルル=フランソワ・ドービニー、オプトヴォス近くのジリユーの沼、1853年、カンヴァス、油彩、62,2×99,7 cm、アメリカ、シンシナティ美術館
左 ジャン=フランソワ・ミレー、種まく人、1850年、カンヴァス、油彩、101×82,5cm、アメリカ、ボストン美術館 右 ジャン=フランソワ・ミレー、種まく人、1850年、カンヴァス、油彩、99,7×80cm、日本、山梨県立美術館
ジャン=フランソワ・ミレー、晩鐘、1857〜59年、カンヴァス、油彩、55,5×66cm、パリ、オルセー美術館
ジャン=フランソワ・ミレー、星月夜、1865年頃、カンヴァス、油彩、65×81cm、ニュー・ヘブン、エール大学美術館