西洋美術史講座(東京)第71回2024年4月28日(日)
「文明と未開のはざま、新たな地平を開いたポール・ゴーギャン」
19世紀フランス絵画
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ポール・ゴーギャン(1848~1903年) ポスト印象派の画家で、印象派が重視した儚く移ろいゆく「瞬間性」を否定し、古典的価値「永遠性」を求め抽象絵画につながる新しい絵画を生み出している。 ポール・ゴーギャンはパリに生まれ、ナポレオン3世のクーデターで共和主義者の父は職を失い、一家で母方の叔父を頼りペルーへ渡る。航海中に父が急死する。7歳でパリに戻り、オルレアンで神学校に通う。船員、海軍軍人として世界中をめぐっている。株式の仲買人となるが、趣味で始めた絵画ではサロン入選を果たし、印象派展にも出品している。82年の株式大暴落により画家として活動することを決意するが、家族は生活苦のために妻の実家のデンマークへ帰る。86年ゴーギャンはブルターニュの村ポン=タヴェンに滞在し、人間の内面や夢、神秘性などを象徴的に表現する「象徴主義」に傾倒し、「クロワゾニスム」という独自のスタイルを打ち出し、後にポン=タヴェン派と呼ばれる。代表作「説教の幻影(天使と闘うヤコブ)」を描く。そして1891年、初めてタヒチに赴く。原点に立ち戻りたい渇望はタヒチによって満たされ、煩わしさから解放され満ち足りた日々を過ごした。タヒチ語の作品名も多い。キリスト教、タヒチの神話を混ぜ込んだ作品を多く描いている。「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこに行くのか」は晩年の絶望期に描かれたが、畢生の大作となった。この作品には少年の頃に受けたカテキズムの教えが投影され、芸術上の重要な思想の集大成となっている。アンリ・マティスやパブロ・ピカソなどのちの抽象絵画に大きな影響を与えた。多くの作品の図像やゴーギャンの思考を詳しくご説明頂き、学びました。
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ポール・ゴーギャン、説教の幻影(天使と闘うヤコブ)、1888年、油彩、カンヴァス、73×92cm、エジンバラ、スコットランド国立美術館
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ポール・ゴーギャン、黄色いキリスト、1889年、油彩、カンヴァス、92,1×73cm、ニューヨーク州バッファロー、オルブライト=ノックス美術館
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ポール・ゴーギャン、黄色いキリストのある自画像、1891年、油彩、カンヴァス、38×46cm、パリ、オルセー美術館
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ポール・ゴーギャン、タヒチの女(浜辺にて)、1891年、カンヴァス、油彩、69×91cm、パリ、オルセー美術館
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ポール・ゴーギャン、イア・オラナ・マリア(アヴェ・マリア)、1891年、油彩、カンヴァス、113,7×87,7cm、ニューヨーク、メトロポリタン美術館
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ポール・ゴーギャン、マナオ・トゥパパウ(死霊が見つめる) 、1892年、カンヴァス、油彩、73×92cm、バッファロー、オルブライト=ノックス美術館
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ポール・ゴーギャン、ネヴァーモア、1897年、油彩、カンヴァス、50×116cm、ロンドン、コートールド美術研究所
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ポール・ゴーギャン、我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか、1897〜98年、油彩、カンヴァス、139,1×374,6cm、アメリカ、ボストン美術館
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ポール・ゴーギャン、白い馬、1898年、油彩、カンヴァス、140×91cm、パリ、オルセー美術館
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ポール・ゴーギャン、乳房と赤い花、1899年、カンヴァス、油彩、94×72,2cm、ニューヨーク、メトロポリタン美術館