【教員コラムvol.1】 「いきいき海星 地域社会と共に生きる」 (心理こども学科 濵田誠二郎 教授)

夏の日差しがまぶしいけれど浜風薫る園庭でのこと。

「ねえ、このスコップかしてよ」
「いいよ。でも、ちょっと待ってね」「うん、わかったあ」別のグループでは「いいよ」⇒「ありがとう」
砂場で撒かれたやさしさの種が、やがて芽を出し、双葉となって、子どもたちの心にお花が咲く。子どもたちのさり気ない会話から元気をいただいた一日でした。

ロバート・フルガムが言った、『人生に必要な知恵はすべて砂場で学んだ』は、誠に然りと思えます。

 7年間、幼保、子ども園を巡回指導させていただき、帰りの車中には、さわやかな夏みかんのような空気の流れを感じてきました。子どもの自然な様子をしっかりとつかみたいので、一緒に遊び、話しかけ、握手やグータッチなど参与観察を実践しています。

また、子どもの絵を観るのも楽しみの一つです。
自由画には画用紙に向かっているときの感情が現れます。
線の太さ、寒色、暖色、画面の大きさなど。
作品をすべて並べて、
「わたしはなぜ、この絵に関心をもったのだろう」と自問自答します。
ある時はエネルギーの強さに励まされます。
また、ある時はつらかったであろう子どもの気持ちに思いをはせながら、3千枚ほどの絵を観てきました。気になる絵を幼保の先生方と鑑賞しながら、ふだんの生活、家庭での様子を聞き、明日からの作戦会議をしています。

 海星では地域貢献を大切にしています。教員がそれぞれ自分の専門分野を社会に還元してきた伝統があります。地域の中の学校、社会とのつながりのある学校、それが海星の大きな魅力で、自慢できる宝物でもあります。